こんにちは。元モラハラ夫のリチャです。
最近たまたま目にしたTV番組に、「夫の言動に振り回されて困っている」という女性が出演していました。
番組が始まってすぐ僕は確信しました。
「あ、これはモラハラだ。」
女性側の気持ちを考えず、傍若無人に振る舞う姿は昔の僕そのものでした。
しかし「モラハラってよくわからない…」という方も多いと思います。
そこで今回は、
【元モラハラ夫が考える「モラハラの思考回路」と「モラハラ対策」】について書いていきます。
現在は克服したとは言えモラハラ夫ということは恥ずべきことなのですが、今回は包み隠さず書いていきます。
今思えば『異常』な思考回路ですが、当時の僕にとってはそれが『普通』でした。
【※注意】
モラハラという定義はかなり曖昧です。「それってモラハラ?」と思うこともあるかもしれませんが、あくまで「僕基準」で話していくことをご了承ください。
モラハラ夫をテレビで見た我が夫婦の感想
冒頭でも説明したように、話題になっているあるテレビ番組を夫婦で見ていたときの話です。
そこではあるAさん(男性)の言動がおかしい、という話で進んでいきました。
スタジオでは笑いが起こっていましたが、弁護士さんには「Aさんの言動はモラハラだ!」と一喝されていました。
Aさんのモラハラ内容をまとめると
- 絶対に謝らない
- こだわりが強く、それが妻の負担になっているとは思わない
- 注意をしても、ポジティブすぎて言葉が届かない
- 自分の行動が相手のためになっていると思い込んでいる
テレビを見終わったところで、お互いに感想を言い合うことに。
……妻にドン引きされました。
脱モラハラをした今だからこそ、Aさんがおかしいことがわかります。
Aさんの行動・思考が僕と似ていて、僕もこれだけひどかったんだなということも冷静に判断できます。
もし僕がモラハラ夫だった当時にこのテレビを見たのなら、理解できていなかったのかもしれません。
というか認められなかったと思います。
モラハラする人は自己肯定感が強いので、「自分は正しい!」と思い込んでいることが多いです。もちろん僕もそうでした。
僕の箇条書きだけでは伝わらない部分もあると思うので、気になる方は「アナウンサー モラハラ」とかで検索して見てください。
モラハラとは一体どういうものなのか
では先ほど紹介した、Aさんのモラハラについて僕なりに考えていきます。
①、絶対に謝らない
→プライドが高い。自分は悪くない(と思っている)。他人に厳しく、自分に甘い。
②、こだわりが強い
→自分ルールができている。常に自分が正しい。
③、何を言ってもポジティブ
→ストレス耐性が強い。
④、自分の行動が相手のためになっていると思い込んでいる
→思いやりがない。自分の行動で相手が困るという発想がない。
僕的なモラハラのイメージって「超ポジティブ人間」です。
自分が正しい。
自分が上の立場。
自分の思い通りにいくと思っている。
本当に思い通りにいってしまう。
こんな思考なので、「自分の行動が相手のためになっている」という謎の自信が生まれてしまうのです。
すべてが悪循環。こうやって自分に自信を持ってしまうことが、モラハラの根源だと思います。
モラハラ夫の善意とストレス耐性の強さ
モラハラ夫は悪意ではなく、善意で行動しています。
善意というと言い過ぎかもしれませんが、少なくとも相手にとって悪であるとは思っていません。
だから純粋な悪意よりも厄介なのです。
さらにストレス耐性が高いため、自分が何を言われても傷付きません。
基本的に自分基準で物事を考えてしまいます。
「"ストレス耐性の高さ"+"自分本位の考え方"="超ポジティブ人間" 」の出来上がりです。
僕自身のストレス耐性にはカラクリがあるのですが、それはこちらの記事で書いています。
モラハラ夫の問題は「自覚のない洗脳」
モラハラ夫は謎の自信があるために、相手を自覚なく洗脳してしまいます。
「俺の方が正しい。相手が謝るべき。」
「自分が正しい」という思考の持ち主は危ないと思います。たぶんモラハラ気質がある。
僕も常に「自分が正しいから、周りが僕に合わせるべき」と思っていました。
僕がまだモラハラ夫から完全に抜け切れていない時、妻に言われてハッとしたのが
モラハラ夫→謝らせる
妻→「謝っている自分の方が悪いのかも」と錯覚する
ということでした。
だから当時は私がよく謝ってたと思う。
「自分が悪いのかもしれない……」という気持ちはモラハラ気質のある人には決して理解できないことなんですよね。
僕は悪いと思わない。だから謝らない。
これを素で言えてしまうのがモラハラです。極端な言い方をすれば「謝った人が負け」だと思ってました。
勝負ごとでもないのに勝ち負けってなんだよって。今なら思いますよ。
でもね、モラハラ人間にとっては重要なんです。冒頭のAさんですが、番組内でかたくなに奥さんには謝罪をしませんでした。
僕はAさんの主張の意味はわかります。
要は何かと理由をつけて、謝りたくいないんです。だって自分が正しいと思っているんですもん。
謝る意味がわからない。プライドが邪魔をして、謝ることを許さない。
「ごめんの一言で円滑になる関係がある」ことを知らないんです。
喧嘩したときのモラハラ夫の思考
謝罪の話と似ていますが、喧嘩したとき皆さんならどうしますか?
自分に非があれば謝りますよね?
モラハラはそうじゃないです。まず自分が悪いなんて思わない。悪いところがあっても認めない。
責められても何か会話の穴を見つけようとし、逆にその穴を突いて責めるんです。
さきほどのAさんの会話を例にすると、
良い言い方をすれば頭の回転が早い。悪い言い方をすれば揚げ足取りがうまい。
モラハラは相手に反論の余地を与えずに、「自分を説得するなら、完璧な理論を言え」というスタンスなんですよ。
穴のない理論を求める、すなわち完璧主義なのだと思います。
これももちろん相手にだけ。相手に厳しく自分に甘く。それがモラハラです。
モラハラ夫は謝罪しない?
ではモラハラ夫は謝罪をしないのか?
そんなことはありません。謝る時は謝ります。僕は謝っていましたよ。
でもね、その先が問題なんです。
本来は謝罪をして、自分の行動をあらためていくということがワンセットのはずですよね?
しかしモラハラ夫は謝っていても「自分は間違っていない」と思っているので、謝ることが終着点なのです。
「謝りました。はい、もういいでしょ。」って感じ。その場を落ち着かせる為だけに最終手段として謝るんです。
何度も言いますが、自分は間違っていないと本当に思っています。だから謝る以上のことが浮かびません。
ここで矛盾に気付きませんか?先ほどこんな僕のセリフがありました。
自分が正しいと思うならなぜ謝るの?悪いと思うから謝るんでしょ?
僕は悪いと思わない。だから謝らない。
この理論からいくと、「悪いと思ったから謝った」と思うでしょ?
違うんです。モラハラ夫は自分に甘く、他人に厳しく。面倒ごとは避けたいので、適当に場を流したいときに謝ります。
自分でいうのもおかしな話ですが、本当に面倒臭いですよね。。。なんなんだよモラハラって。。。
モラハラ夫は話のアラを見つけるのは得意
「文章のアラを探す。話の穴を見つける」というモラハラの能力ですが、実は対外的な部分で非常に役に立ちます。
たとえば携帯の契約。最近の携帯契約は非常に複雑で、何かわからないまま契約している人も多いですよね?
「アラを探せる。穴を見つける」=「矛盾点・おかしな点が発見できる」能力なんです。
だから契約でおかしな点にすぐ気付き、変な契約をすることもないです。
度がすぎるとクレーマーだったり、ただイチャモンをつけているだけになるので要注意。僕もいまだに妻に注意されることがあります・・・
モラハラとジャイアニズムの違い
「自分以外は信じない。自分が一番。 」
これはモラハラ全員が思っていることだと思います。
似た概念に俺様主義のジャイアニズムがありますが、これとはちょっと違います。ジャイアニズムには有名な言葉がありますよね。
「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」
ジャイアニズムは「有無を言わせず自分のペースに持ち込む」
モラハラは「相手を諭して自分のペースに持っていく」
モラハラとジャイアニズムは、到達点が同じでも過程が違います。
どちらかというとモラハラの方がタチが悪いですね。僕の場合は合わせて口も悪かったですし……。
- モラハラ → 相手を諭して自分のペース
- ジャイアニズム → 有無を言わさず自分のペース
「自分が悪い」錯覚するなら、モラハラされている
冒頭でも書きましたが、モラハラに限らずハラスメントというものは定義が非常に曖昧です。
たとえば上司が部下に対して「お前」と呼んだ場合、部下がなにも感じなければスルーされ、不快に思えばそれはパワハラになったりします。
ここまでモラハラについて語ってきて、今更ですが『モラハラとはなにか?』について僕の個人的な意見を述べます。
モラルのない人 ×
被害者がモラハラだと思ったら △
被害者が「自分が悪い」と錯覚したら ◯
モラハラの怖いところは、被害者が「モラハラ」だと感じづらいということです。
最近よく意識されるようになったハラスメントですが、基本はどれも「相手がハラスメントだと思ったらダメ」なんです。
セクハラ、パワハラ、マタハラ……どれも相手(被害者)が「これはハラスメント(嫌がらせ)だ!」感じることが発覚するキッカケのはずです。
でもモラハラ被害者は洗脳されてしまい、自覚できません。これが恐ろしいところだと僕は思います。
だから「僕・私が悪いのかもしれない…謝っておこう」と錯覚した時点で、モラハラだと判断していいはずです。
ただし本人は気付いていないので、自分からのアクションが出来ないことの方がネックなのですが。。。
モラハラに気付いたら逃げるべき
前述の通り、モラハラは相手を洗脳しています。だからモラハラされている人は自分では気づかないことが多いようです。
今回例に上げたAさんの奥さんも「旦那さんモラハラですよ」と言われて、こう答えていました。
この時点で確実に洗脳です。モラハラ夫に洗脳されておかしくなっちゃっています。
僕の妻も洗脳されていた一人です。
友人から「それはモラハラ夫だよ」と言われて気付いたそうです。
自分でいうのもおかしな話ですが、モラハラはそう簡単に治るものではないと思っています。
もし夫がモラハラだと気付けたのなら、逃げるべきかなと。
元モラハラ夫だった僕だからこそ、意味があると思うのであえて言います。
夫婦でなくても周りに怪しいと思う人がいたら、被害者にコッソリ伝えてあげて。そして「モラハラを受けているな」と気付いた人は逃げて!
モラハラは悪だから!
モラハラ夫をなおすためには
モラハラ夫をなんとかしたいと思っている方に、僕から一言アドバイスをすると、
モラハラ夫を突き放してください!
もちろん物理的にではなく、精神的に。
僕は妻に言われて、頑張ろうと決意した言葉があります。
夫婦は他人。
当たり前なんですが、この言葉は僕にとってはまさに目から鱗。まったく意識外のことでした。
意識・行動・口調などすべてが変わりました。
僕は恵まれています。妻がボロボロになりながらも向き合ってくれたから。本当に感謝しています。
確かに変わったことで妻や周りに気を使うことは増えた。言いたいことを我慢することも増えた。
でも変わってみてわかったことが一つある。
こっちの方が100倍楽しいし、100倍幸せ。
— リチャ@パパ (@papa_ritya) 2017年8月7日
本は気休め程度
僕は常にイライラしている人間だったので、「怒りを消す本」をいくつか読みました。
正直なところ、効果があったかというと微妙なところです…。
モラハラ脱却後に読んだアンガーマネジメントの本は頭に残っていますが、これがモラハラ真っ只中だったときに読んだらどうだったのか……。
被害者側の本は多いです。こちらの本はモラハラ加害者・被害者のチェックリストや相談窓口も書いてあります。
ただ、モラハラの種類は十人十色。本の内容は参考程度におさめておくのがいいと個人的には思います。
「モラハラ夫の扱い方」のような本も多いですが、モラハラ被害者は逃げてほしい気持ちが一番なので、あまりオススメできません。。。
周りの協力が不可欠だが、頑張りすぎは禁物
モラハラ夫は自覚がないので自らなおすのは難しく、ある程度周りの頑張り・協力が必要です。
モラハラで多いのは夫婦間なので、パートナーが頑張るということになりますね。
しかし「頑張り過ぎは禁物」です。
努力してムリだったら切り捨ててください。あなたがモラハラに洗脳される前にまずは自分を大事にするべきです。
モラハラは人間の根幹からなおす必要があるので、簡単には直りません。
僕も何度も諦めようとしました。白髪も増えました。1年以上かかってようやく脱モラハラできたと思います。
何度でも言います。ダメだと思ったら逃げてください!!これ以上は自分が危険!と感じたら真っ先に逃げてください!
僕と妻で夫婦対談、僕の妻側同目線、同じく元モラハラ夫目線の方の記事をおいておきますので、こちらも読んでみてください。
まとめ:モラハラを受けている方が少しでも幸せになりますように…
モラハラは加害者も被害者も気付かないことが多い特殊なハラスメントです。気付いていないだけで、潜在的なモラハラ家庭は相当数あると思います。
僕も自分がモラハラだとは思ってもみませんでした。
「モラハラされているかも」
「もしかして自分のこの行動ってモラハラ?」
と思ったときは、少し冷静になってこの記事のことを思い出してもらえると幸いです。
以下の特徴に少しでも当てはまったらモラハラを疑うべきです。
- 絶対に謝らない
- 自分ルールがあり、常に自分が正しい
- ストレス耐性が強く、注意が届かないくらいポジティブ
- 自分本位すぎて、相手の気持ちがわからない
本記事を読み、少しでもモラハラ加害者・被害者の方に気付いて貰えれば幸いです。
何度も何度も伝えますが、ムリだなと感じたら、すぐに逃げてください!
追記(2017/12/02)
本記事がキッカケで、朝日新聞さんに取材を受けました。そちらもよろしくお願いします。(有料会員になると僕と妻の取材が読めます)
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